会席料理とは
会席料理とは人々が集まってお酒や会話を楽しむために考案された、和食のコース料理のことで、古くは武家時代にルーツを持ちます。
時代劇などで戦国武将をはじめ、戦の前に武士たちが酒を酌み交わしたり、勝利の美酒を味わったり、戦略を練るために食事をしながら集まっているシーンなどが見られますが、その際にお膳に美しく盛られた旬の食材を使った料理や尾頭付きの魚などが目につくことがあるのではないでしょうか。
一人一人のお膳と徳利におちょこ、食事を楽しみ、会話を楽しみながらお酒を楽しんだり、時として相手の算段を伺ったり、顔色をうかがいながら、敵か味方かのせめぎ合いの中、会席料理をだしに宴席が催されることもあります。
こうした古い時代の宴会料理が、今でも続く会席料理のルーツとなっており、現代でも忘年会や新年会、接待の席などで和食を選ぶと定番のプランとして利用されています。
会席料理は和食のフルコース
料亭や和食レストランなどでの宴席では、定番ともいえる会席料理ですが、何となく出てくるものをつまみながらお酒を飲み、次第に酔いも回ってくるので、何がどんな順番で出てくるのかなど考えたこともないという方も多いかもしれません。
順番が決まっているとはいえ、実際に供されるお料理はその時々の旬の食材を使って、料理長がこだわりを持って作りますので、同じ料理が出るケースもないため、順番があることを知らずに何度となく味わってきた方もいらっしゃることでしょう。
会席料理は和食のフルコースともいうべきもので、フレンチやイタリアンのコースのような順番が決められています。
お酒を楽しみ会話を楽しむためのコース料理
前菜やオードブルにあたる先付(さきづけ) に続き、椀物(わんもの)として季節の食材を入れたお吸い物や煮物が供されます。
続いては印象に残っている方も多い、会席料理に定番の刺身の盛り合わせが出ますが、これを向付(むこうづけ) と呼んでいます。
続いては鉢肴(はちざかな) といって焼き魚などの焼き物が供されます。
旬の魚であることが多いですが、最近では現代の食スタイルを反映して和牛のステーキなどが出ることもあります。
強肴(しいざかな) はお酒をもっと召し上がれとお酒を強いる料理という意味合いがあり、一般的には旬の野菜やつくねなどの炊き合わせが登場します。
お酒はそろそろお仕舞いという意味のある、止め肴としてお口をサッパリさせる酢の物または和え物が出ます。
お酒を飲んだ後には炭水化物が欲しくなりますが、武士の時代でもそれは共通しており、最後にご飯と止め椀としての味噌汁、香の物が出ます。
最後はお口直しに水菓子として旬の果物が供されます。